体を温める食べ物・食材と体を冷やす食べ物・食材
☆食べ物と冷え性
東洋医学では、食べ物(食材)を3つの性質(食性)に分けています。陽(温・熱)は体を温める食べ物(食材)、陰(涼。寒)は体から熱をとる、体を冷やす食べ物(食材)、平は陽、陰のどちらにも偏らない中間の穏やかな性質の食べ物(食材)です。しかし、この食性は加熱や加工で変化することがあります。陽と陰のどちらが良いということではなく、下記の食べ物・食材一覧表等を参考にして、季節や生活環境に合わせ、偏らずバランスよく摂取することが大切です。
冷え性の人は、これまで食べていた陰性の食べ物(食材)をまったく制限してしまうことは、現実的でないばかりか、それら陰性の食べ物(食材)から摂取できるはずの栄養素までも制限してしまうことになるため、合理的とは言えません。それよりも、それら陰性の食べ物(食材)は、加熱調理することにより、或いは体を温める香味野菜、香辛料、調味料その他の食べ物(食材)とうまく取り合わせることにより、体を冷やさない食べ物、体を温める料理に替えて、食べるようにすべきです。そのうえで、冷え性の人は、体を温める食べ物(食材)を積極的に食べるようにすれば良いのです。
☆冷え性対策:体を温める食べ物・食材と体を冷やす食べ物・食材一覧表
| 陽(温・熱) | 平 | 陰(涼・寒) | |
| 穀類 ・ 豆類 |
もち米、黒米、小豆、黒豆 | うるち米,そら豆、大豆、玄米,トウモロコシ、黒パン
|
あわ、小麦、白いパン、豆腐、はと麦、ひえ、緑豆、緑豆もやし |
| 野菜 ・ き の こ 類 |
うど、かぶ、かぼちゃ、からし菜、グリーンアスパラガス、小松菜、さつまいも、しその葉,玉ねぎ、つくし、菜の花、にら、にんじん、ねぎ、パセリ、ピーマン、ふき、やまいも、らっきょ,れんこん、わけぎ、わらび | 白きくらげ、キャベツ,里芋、椎茸,じゃがいも、春菊、たけのこ、チンゲンサイ、なずな、ブロッコリー,ゆり根 | かいわれ、キュウリ、黒きくらげ、くわい、こんにゃく、しめじ、白うり、せり、セロリ、大根、たんぽぽ,とうがん、トマト、なす、にがうり、はくさい、へちま、ほうれん草、まくわうり、よもぎ、レタス |
| 果物 ・ ナ ッ ツ 類 |
あんず,杏仁、オレンジ、ぎんなん、栗、くるみ、ごま、さくらんぼ、ざくろ、さんざし、なつめ、松の実,陳皮、桃、ココナッツ,ライチ | りんご、イチゴ、いちじく、梅、きんかん、グレープフルーツ、すもも、桃仁、ピーナッツ、ぶどう、プルーン | 柿,キウイ、スイカ、梨、バナナ、ぶわ、みかん、メロン、ゆず、レモン、羅漢果、パイン |
| 肉 ・ 卵 | 鶏肉,鶏レバー、豚レバー、羊肉、鹿肉、牛の骨や髄 | 鶏肉、牛肉、豚肉、いのしし肉、うずら卵、牛の胃、牛の腎臓、牛の心臓、牛レバー,鶏の砂肝、鶏卵、豚足、豚の胃、豚の心臓 | 牛の胆のう、すっぽん、馬肉、ピータン、羊の肝臓 |
| 水産物 | あなご、いわし、えび、干しえび、かつお,鮭、ちりめんじゃこ、なまこ、めんたいこ | あじ、あわび、いか、貝柱,かき、くらげ、鯉、さば、さより、しらうお、白身魚、すずき,鯛、たこ、たちうお、どじょう | あさり、うなぎ、うに、かに、しじみ、たにし、はまぐり、はも |
| 香辛料 ・ 調味料 | しょうが、コショウ、山椒、クローブ、酒、天然塩、唐辛子、七味唐辛子、豆板醤、シナモン(肉桂)、にんにく、八角、フェンネル、わさび、味噌、しょう油 | 黒砂糖、氷砂糖 | 白砂糖、合成酢、オイスターソース、テンメンジャン,トウチ |
| 油脂 | 大豆油、ピーナッツ油、ひまわり油、サフラワー油 | 紅花油 | バター、マヨネーズ |
| そのほか | 紅茶、赤ワイン、紹興酒、日本酒、ココナッツミルク,葛 | ウーロン茶、はちみつ、黒みつ | コーヒー、緑茶、牛乳、清涼飲料水 |
☆冷え性さんにおすすめ:体を温める春の食べ物
春という時期は冬から夏への季節の変わり目にあたり、体の中で「緊張の神経」とも呼ばれる交感神経が優位の状態から「リラックスの神経」とも呼ばれる副交感神経が優位の状態に体調が変わる変わり目の季節です。春でも寒い日は交感神経がよくはたらき、温かい日は副交感神経がよくはたらく。一週間のうち、ある日は交感神経優位、ある日は副交感神経優位になるので、バランスがとりにくく、ここから自律神経失調という状態が起こりやすくなります。自律神経の神経細胞に必要な栄養素はビタミンB1とカルシウムです。ビタミンはB1はアリウム属の野菜であるネギ、ニラ、ニンニク、タマネギ、ラッキョウに入っています。春には特にこれらを多めに摂る。小麦、胚芽にも入っているので、黒パンや胚芽米をしっかり摂るのもいいでしょう。カルシウムは小魚やエビ,イカ、タコ、貝、牡蠣などの魚介類、黒砂糖、海藻類、チーズ、自然塩などに入っています。また、漢方では生姜とシソの葉が昔から「気を開く」「抑うつ状態をとる」といわれています。生姜紅茶やシソの葉を入れた味噌汁、シソの葉のてんぷらなど、生姜やシソの葉を摂ることは春先の精神的な不調には効果的です。この時期を乗り越えるには、野山に芽吹く山菜や、花菜(菜の花、ふきのとうなど)を食べるようにします。山菜や芽のものには、植物が活動をはじめるのに必要な良質のたんぱく質や、多種多様なビタミン、ミネラルが含まれます。こうした山菜や花菜、木の芽に含まれるアルカロイドという苦味成分には、人の細胞を活性化する作用があります。これを食べることで人の細胞も刺激を受け、冷えが緩和されます。
■おすすめ春の冷え性改善食材
①山菜:うど、たらの芽
②春の青菜:せり、小松菜
③花のつぼみ、木の芽:菜の花、山椒の若葉(木の芽)
④香味野菜:にんにく、にら、エシャロット
☆冷え性さんにおすすめ:体を温める夏の食べ物
体が完全に冷えてしまっている冷え性の人は、夏場でも体を温める料理を食べ、また汗をかいて、体内に溜まった水分を排泄する必要があります。夏野菜は熱を摂る(冷やす)働きをするものが多いのですが、ニンジン、グリーンアスパラガス、絹さや、シソの葉、みょうが、唐辛子、しし唐辛子などは体を温める夏野菜ですから、たっぷりと使いたい野菜です。夏はハーブの旬です。セージ、タイム、ローズマリーなどのハーブ類の多くは体を温めますので 煮ものや焼きものにふんだんに使いましょう。体を冷やす夏野菜であっても、加熱したり、薬味を足すことで、体を温める料理になります。シソの葉、みょうがなどの香味野菜は、抗菌作用、解毒作用のほか、体を温める効果もあるので、夏場の料理に利用しましょう。夏場の食卓にのぼることの多い冷奴には、特にたっぷり乗せましょう。また香辛料の効いたたべものを食べて汗を出すと、停滞していた代謝が促進されて、食欲が出て、元気も回復してきます。カレーや炒めものに唐辛子を1本余分に入れて、食べながら汗をたっぷりかきましょう。体を余り動かさず、汗をかかない人が冷たい水を飲むと、腎臓が冷えて排尿がうまくできずにむくんでくる、水太りになり、漢方でいう水毒の症状になりやすい。水分を摂るときは、体を温めて利尿作用がある飲み物を摂るのがポイントです。一番簡単なのは紅茶です。生姜紅茶にすると、さらに利尿作用が高まります。
また、夏は冷えたビールを飲む機会も増えますが、ビールの飲み方にちょっとした工夫をしましょう。
①健康のためには、運動をしたあととか、入浴でひと汗かいたあとに飲む
②枝豆や塩辛、漬物、ポテトチップス、など塩の効いた体を温めるものを一緒に食べる。塩辛いものは体を温めるので、ビールの欠点を補います。
③たくさん飲みたい人は、黒ビールにしたら良いでしょう。黒色の食べ物は体を冷やさないからです。
■おすすめ夏の冷え性改善食材
①緑黄色野菜:にんじん、グリーンアスパラガス、絹さや
②香味野菜:シソの葉、みょうが
辛味野菜:唐辛子、しし唐辛子
③ハーブ類:タイム、ローズマリー、セージ、ミントなど
☆冷え性さんにおすすめ:体を温める秋の食べ物
猛暑日や熱帯夜が続いた夏、やっと秋を迎えたとき、私たちの体は疲れきっています。夏には一日中ずっと冷房の部屋の中にいたために、体が冷えています。加えて暑かったので、ついつい水分を摂りすぎています。私たちの体は夏はもとも基礎代謝を下げて、体温が上りすぎないようなシステム、メカニズムがあります。そういうところに水分を摂りすぎたり、冷房に長く当たったりするので、必要以上に体温が下がってしまいます。
秋口になると、そんな体温低下、水分過剰からくるいろいろな症状があらわれてきます。下痢、便秘、むくみ、体のダルさ、肩こり、頭痛、目まい、耳鳴など不定愁訴に近い症状が種々雑多に出てきます。また夏から冬に気候が変わるとき、自律神経は、「リラックスの神経」といわれる副交感神経がよくはたらく夏型から「緊張の神経」といわれる交感神経がよくはたらく冬型に変わっていきます。秋というのはこの体のはたらきの切り替え時期でもあります。そのため自律神経のバランスの乱れが起き易くなります。したがつて体を早く冬型に持っていくことが必要です。それには交感神経を緊張させることが大切です。例えばお風呂はぬるめよりも、熱めのお湯で短時間入る。運動をする際、少しからだに負担をかける運動をする。食べ物の工夫としては、少し体内に刺激を与えることが交感神経を緊張させるので、生姜紅茶など生姜を活用したり、ワサビや七味唐辛子などの薬味を多く活用する。ピリッと刺激を与えてくれるネギ、ニラ、ニンニク、タマネギ、大根などの利用もお勧めです。
■おすすめ秋の冷え性改善食材
昔から漢方には「薬食同源」という言葉があります。秋の食べ物には「薬食同源」の効果がはっきり分かるほどの効能が含まれています。秋の旬の食材をしっかり食べて、冬に備えるといいでしょう。秋に収穫されるいも類は秋が旬です。秋に収穫される、いも類、豆、そば、栗は体を温めます。くるみやぎんなんも栄養価が高く、代謝を上げる食材です。積極的に食べましょう。
①いも類:さつまいも、じねんじょ、さといも
②キノコ類:椎茸、まいたけ、しめじ、マッシュルームなど。漢方では気を増し、風邪を治し、血液を浄化するといわれています。
③木の実:ぎんなん、くるみ、栗。良質で吸収率の高い脂肪やたんぱく質の宝庫です。
④豆類:小豆。乾物の豆の旬は秋、新豆が出回ります。小豆はたんぱく質やビタミンB1が豊富。糖質や脂肪の代謝を促し、利尿作用も大きい。
⑤かぶ:10月ごろからおいしいかぶが出回ります。体を温める食材なので寒い時期にとくによく食べたいものです。
⑥そば:そばのタンパク質は8種類の必須アミノ酸をすべて含んでいる。そばの黒っぽい成分であるルチンは認知症予防脳卒中予防効果がある。ミネラルのバナジウムは糖尿病の予防治療に効果がある。
⑦果物:果物はリンゴ。リンゴには整腸作用のあるペクチン、炎症を抑えるリンゴ酸が含まれ、またカリュウムが多く含まれています。
⑧魚類:サンマ、サケ。サンマは血栓を溶かし、脳のはたらきを良くする成分、EPA,DHAを含んでいます。また、サンマにはビタミンA、B、DやB12も含まれているので、肌をきれいにする、骨を強くする、老化予防、造血作用を促す力もあります。サケはサケ特有のアスタキサンチンという赤い色素を含み、これは体を温める作用があります。またサケは脂肪が非常に少なく、たんぱく質が多いので、ダイエット食品として効果的です。冬に向けての食材としてサケは最適です。
☆冷え性さんにおすすめ:体を温める冬の食べ物
寒い冬は、根菜を中心に食べて、体を芯から温める食生活を心がけましょう。冬においしい野菜や魚介をつかった温かい鍋物やスープなどで体を温め、風をひかないようにしましょう。この時期に体力の消耗を防ぐには、地下でエネルギーを蓄えた根菜類を積極的に食べることです。根菜類すべてが体を温める性質というわけではありませんが、加熱することで体を温める食材になります。特に地下深く根をはる山いもは滋養効果が高く、体を温めます。かぼちゃは、他の野菜にくらべてもβ-カロチンが多量に含まれています。βーカロチンは体内で消化されて3分の1がビタミンAに変身します。体内に入ったビタミンAは体の粘膜を強め、抵抗力をつけて風などを予防する働きがあります。寒い時期に冷え性体質の人がかぼちゃを食べるのは非常に効果的です。冬至にはかぼちゃを食べ、ゆず湯に入るという習慣がありますが、これは昔の人が考えた「冬に体を温める」という養生の風習です。
■おすすめ冬の冷え性改善食材
①根菜類:れんこん、ごぼうう、れんこん、ゆり根、くわい、大根
②冬の青菜:ほうれんそう、春菊、ブロッコリー
(注)大根は体を冷やしますが加熱することで緩和されます。、
③黒豆
「冷え性(冷え)と栄養のバラン ス」もご覧ください。
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・お年寄りや、冷え性の方が、ソファーや椅子、あるいは座敷に座ってテレビを見る際に。
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・冬場のデスクワークやパソコン作業の足冷え予防に。
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